エジプト ミイラ 作り方

エジプトの観光は、遺跡巡りが中心になります。
遺跡巡りをしている時に、
エジプトの神話と神
ミイラと死後の世界
を知っていると、
その神殿や遺跡がなぜ作られたのか?が
分かるようになります。

 

エジプトのミイラはなぜ作られたのか?
背景とその作り方をまとめました。
遺跡巡りの前に、確認して置かれると
ガイドさんの説明も理解できて
楽しい旅行になると思います。

 

エジプトでは、死後70日後に神の裁定を受けて
永遠の命が得られる。
死んでも魂が生き続けるが、
その魂が戻る場所(体)をミイラとして準備しておく、
という意味があったようです。

 

大切な心臓は体の中に残して、
残りの4つの臓器は、
「カノポス壷」と呼ばれる4つの壺に移されて、
ミイラとともに保管されます。

 

カイロ考古学博物館で、
ミイラやカノボス壺を見た時に、

 

どうやって作られたのか?
どんな目的があったのか?を

 

思い出しながら見ると、
より楽しめるのではありませんか?

 

 

☆ミイラと即身仏
エジプトのミイラと似たような姿で、
日本では即身仏があります。

 

日本の即身仏は、
ご自分で意識のある時に、
身体の水分をなくして行き
成仏するという物です。

 

しかしエジプトのミイラは
その人物の死後に、
人の手で作り込まれた物です。

 

☆エジプトではなぜミイラを作ったの?
古代のエジプトでは、体と魂と精霊で構成されていたと
考えてられています。

 

一度死んだ場合に、各々が分離しますが、
将来、魂と精霊が戻ってくる場所として
体が必要になります。

 

その体を保存するために、ミイラが必要だったんです。

 

☆体の中で大切な物
古代エジプトで、体の中で大切に考えていいた臓器は
何だったのでしょうか?
それは心臓です。
(あとで「死者の書」のところで、説明します。)

 

ミイラを作る時に、腐りやすいものは
まず取り除かれます。

 

脳みそ、肝臓、肺、胃、腸を取り出してしまうんです。
脳みそは廃棄されたようですが、
他の臓器は「カノポス壷」に入れて、
別に管理されます。
しかし心臓だけは丁寧に取り扱われて、
ミイラの中に戻されるんです。

 

☆ミイラの作り方
死後70日でミイラを作る事になっていました。
この70日にも意味があったようです。

 

エジプトにおいて、豊かさとか再生の意味を持っている
星のシリウスが、地平線に隠れて見えない日数が
70日で有ることに、関係があったのと考えられています。

 

死亡してから70日後に、
神の裁定を受けて、あの世で永遠の命を得られる
と信じられていたようです。

 

ですから、蘇るときには体となる
ミイラが完成している必要があります。

 

完成している必要はあるのですが
実は、ミイラが完成しただけでは不十分なんです。

 

ミイラを作る途中で、
死者が視力・聴力・呼吸・運動など、
生前持っていた機能を回復するように、
宗教的な呪文を唱えたり、
必要な場所に御札を置くことが
必要だったんです。

 

☆ミイラの作成手順
時代によって、多少の違いはありますが、
大体の流れはつぎの様な感じです。

 

体の表面を洗う。
脳みそを取り出す。
内蔵を取り出す。
残った体を乾燥剤を使って、乾燥させる。
乾燥剤を取り除き、体内に詰め物をする。
布で包む。

 

この後にお棺に入れて、墓に埋葬します。

 

☆体の表面を洗う。(髪の毛以外の体毛を取る)
体を清めることが必要なので、
ミイラを作る清らかな場所と呼ばれる
「ウアベト」に運ばれて、体を清め、体毛を取ります。

 

カフラー王のピラミッドの前に、
スフィンクスの像があります。
その前に建物がありますが、
その建物がカフラー王のためだけに作られた
「ウアベト」です。

 

☆脳みそを取り出す。
エジプトの人達にとって大切なのは
心臓でしたので、内臓の次に腐りやすい
脳みそは、取り出します。

 

鼻から鈎のついたものを突き刺し
脳みそをぐちゃぐちゃにして、
鼻から出したとのことです。

 

死体を台の上にうつ伏せにして寝かせ
脳みそを掻き出す作業をしたそうです。

 

内臓は保管のために「カノボス壺」があったのですが
脳みそに関しては、特別な保存はしていません。

 

参考情報:
最近の発掘&研究の結果、
脳みそはないミイラでも、
鈎を使った跡の残っていないミイラが見つかり、
脳みその取り出しは、色々な方法があった、と
考え始められています。

 

☆内蔵を取り出す。
台の上であお向けにされた死体の左脇腹を切って
内蔵を取り出します。

 

肝臓、肺、胃、腸を取り出してしまうんです。
脳みそは廃棄されたようですが、
他の臓器は「カノポス壷」に入れて別に管理されます。

 

肝臓、胃、腸は臓器自体が消化酵素を持っているので
腐敗しやすい環境にあるので、
腐敗の対策は大切です。

 

古代のエジプトでは、天然に産出し、
塩湖などから採取っ出来る炭酸ナトリウムの
「ナトロン」と呼ばれる塩を
乾燥剤として使っていました。

 

臓器と「ナトロン」を一緒に壷の中に入れて、
腐敗を阻止しています。

 

 

※「カノボス壷」
かのボス壷の蓋は、
人間・ひひ・犬・隼の像が使われる事が多いです。
4つが全部揃うことが必要だったようです。

 

ツタンカーメンの場合はすべての蓋が、
ツタンカーメンのマスクと同じです。

 

カイロ考古学博物館では、4つが揃った状況で
観ることができます。

 

☆残った体を乾燥剤を使って、乾燥させる。

 

水分が残っている物体は、腐っていきます。
逆にいうと、腐らせないためには、
水分をなくすことが大切です。

 

すでに説明したナトロンは、
2つの機能でミイラ作りにやっく立ちます。

 

ゆっくりと水分を奪っていく機能、
脂肪細胞でできた腹膜を硬くし、石鹸のような物に変化させる機能。

 

ナトロンを体の内側に、そして、
外側もナトロンで覆うようにします。

 

40日間程度この状態で物質を乾燥させます。

 

☆乾燥剤を取り除き、体内に詰め物をする。

 

ナトロンを取り去って、
体内に詰め物をして、
体の表面をきれいにします。

 

そして体の表面に、
樹液やオイルなどをつけます

 

☆布で包む。
手の指・足の指などは壊れやすいので、
きちんと保護してから、
幅の狭い特別な布を使うなどしています。

 

この時「死者の書」を一緒に巻く。

 

※死者の書
ミイラを作っている70日間の間、
死者は「死者の書」の案内に従い歩みを進めていきます。
体を奪おうする邪悪なものを撃退したり、
42の質問を受けたりします。
その後、心臓と真実の羽を天秤にかけられます。
心臓が羽よりも軽い場合、初めて善良な者と判断され、
永遠の命を与えられます。
心臓が羽よりも思い場合、罰が待っており、
幻獣に心臓は食べられてしまい、復活ができなくなります。

 

カイロ考古学博物館で、パピルスに書かれた「死者の書」を
観ることができます。
心臓と羽を天秤で比較している図が書かれているので
すぐにその絵が「死者の書」だ、分かると思います。

 

古代のエジプトでは、死後70日で神の裁定を受けて
永遠の命をもらうことが出来ると考えてました。
その時に必要なのが、体であり、ミイラが作られました。
腐りやすい脳や臓器を取り出して、腐らないように処理をします。
臓器を特別に管理したのが、「カノポス壷」です。
死んでから蘇るまでに必要な道案内の「死者の書」も
ミイラに取り付けられます。
カイロ考古学博物館を観ていると、
これらの品々を、ご自身の目で観る機会があります。
ぜひ楽しんで来てください。